2018〜2020年度科学研究費・基盤研究(B)
「黎明期を迎える幼児教育でのタブレット端末活用に関する研究」

 2018年7月初旬から8月中旬までの回答期間で,全国 1,000 園(幼稚園/国立 44・公立 274・私立356,こども園/公立 125・私立 201,計国公立 443・私立 557,各都道府県約 22 園ずつ抽出)に調査を依頼しました。調査項目は,(1)教職員数や在園児数,タブレット端末使用の有無などのフェイスシート,(2)事例集の遊びへの取り組み度合い,(3)活用メリット,(4)不安・心配,(5)保育と非認知的能力,等です。
 8月中旬までに280園より返信を得ました。質問紙調査にご協力いただいた幼稚園・こども園の皆様に感謝の意を表します。ありがとうございました。


以下の保育のねらいを達成する活動で,タブレット端末の活用が期待できる,との回答が多数ありました。
・操作を繰り返すことで,スキルを習得したり,小学校でのタブレット端末の活用につなげる。
・仕組みに興味や関心を持ち,興味をもってかかわり,考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。
・自ら試行錯誤する中で新たな発見をして,友達に伝え,広める楽しさを味わう。

以下の項目で,保育でタブレット端末を活用することのメリットを感じている,との回答が多数ありました。
・知識が豊かになる
・歌や踊りを楽しめる
・小学校以上の学習で役に立つ

以下の項目で,保育(事務処理を除く)で活用されているメディア,で多数の回答がありました。
・オーディオ(カセット・CD等)
・デジタルカメラ
・ビデオ・DVD・ブルーレイ

以下の項目で,保育でタブレット端末を活用する場合に不安や心配がある,との回答が多数ありました。
・長時間画面を見つめることで,視力低下が心配
・タブレット端末ばかりで遊び, 友達と関わって遊ぶことが減らないか心配

質問紙に回答いただいた園の,子どもたちの園生活の特徴では,以下の項目に多数の回答がありました。
・新しいことに好奇心をもてる
・好きなことに集中して遊べる
・遊びなどで友だちと協力することができる

タブレット端末を活用した幼稚園版「学びのイノベーション」リーフレットのそれぞれの遊びについて,どの程度取り組んで見たいか,の問いのまとめは,第25回日本教育メディア学会年次大会(一般研究)『保育でのタブレット端末活用場面における取り組みやすさの評価』で発表します。発表後に掲載します。


なお,掲載していますデータの転載はおやめください。
お問い合わせは 園田学園女子大学 人間健康学部 堀田まで